お知らせ
2025.03.25 【お知らせ】
東京都社会福祉協議会 東京都高齢者福祉施設協議会が主催する、東京の介護ってすばらしいグランプリ。
このイベントは、多様な場面にスポットをあて、介護の魅力を広くPRする、年に一度のグランプリイベントです。
動画部門、写真部門、コラム部門、レシピ部門の4部門があり、サンライズは動画部門、写真部門、コラム部門の3部門で賞をいただきました。
サンライズ大泉
タイトル「地域防災でコネクト!県をまたいで支え合う西大泉地区と片山地区でまち活ラリー開催」
サンライズ大泉 嶋崎美咲
タイトル「うれしい~!」
サンライズひのでだんち 蒔田里子
タイトル「夜と朝のあいだに」
Aさんは、普段会話をすることはあまりない。
コミュニケーションはもっぱら「うなずく」と「首をふる」だ。
わたしが初めてAさんに声をかけたとき、「うなずく」ことも「首をふる」こともなかった。でも、家では会話をしているので、こちらの声は届いていることを娘さんから伺った。
まずは、他の職員との関わりを参考にして、毎日声をかけた。
「今日の天気」「今日のレクリエーション」「ご飯のメニュー」
いろいろと声をかけても、笑うどころか、「うなずく」ことさえしてもらえない。
そんな日々が続く中、夜勤が始まった。
業務が落ち着いた朝方、Aさんの様子を伺うと歌謡番組を観ていた。
「この歌手の方、若いですね。知ってます?」と声をかけるも反応がない。
それでも夜勤に入る度、衣装だったり、髪型だったりと、
たわいもない質問を続けていると、Aさんは徐々にうなずいてくれるようになった。
この番組にはテーマ曲がある。
長山洋子さんの「美味しいお酒 飲めりゃいい」だ。
それを釘付けになりながら見ていたAさんは、
サビが終わるところでお酒を「くいっ」と飲む仕草をし、わたしに向かって笑ったのだ。
Aさんの笑顔を初めて見た瞬間だった。
それから、この歌謡番組を一緒に観て、歌に合わせて仕草をすることが恒例になり、わたしの楽しみの一つになっていた。
Aさんの、この笑顔をもっと知ってほしい!
そう考えていた、ある日のカラオケの時間。
周りの利用者さんから「Aさんも歌ったら?」と声をかけられるが、反応がない。
わたしが「一緒に歌いますよ」と伝えると、
「... お酒の...」と小さな声でぽつり。
お酒?お酒の歌?もしかして。
あのテーマ曲だ!
わたしがAさんの隣で歌っていく。
「美味しいお酒~飲めりゃいい~」
サビが終わる、そしたらこれだ!
「せーの!」くい っ!
A さんの仕草と、くつくつと笑っているその姿に、
「いいね、いいね!」
職員からも利用者さんからも、たくさんの笑顔がその場に溢れた。
Aさんは、会話はほとんど出来なくても、笑うことは出来る。
出来る機会が少ないんだ。
この笑顔は奪われてはいけない。
出来ることを支えていく。それが、わたしたちの仕事だ。
周りの人全員を笑顔にさせるAさんとの、
夜と朝のあいだに起こる大切な時間。
わたしの宝物です。
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